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いま言葉にできること

Miumiブログ。世界を、時代を、現代を見つめて、言葉は真実をあきらめてならない。

「憲法九条上の問題になる言葉」とは、自衛隊を「戦闘」から守る言葉である

「法的な意味における戦闘行為ではない。国会答弁をする場合、憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではないから、一般的な意味での武力衝突という言葉を使っている」

         (稲田朋美防衛相 2017年2月8日      衆院予算委委員会答弁)

   

   頭がくらくらする。

 2016年7月の日報で現地南スーダンPKOに参加している陸上自衛隊員が、
自衛隊宿営地周辺での射撃事案に伴う流れ弾や、市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要」「7月7日の衝突は市内全域へと拡大。10、11日にも戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘があった」と記載した内容について、稲田朋美防衛相は「日報に書かれているのは一般的な戦闘の意味だ」と答弁し、「憲法九条上の問題になる」から自衛隊員が「戦闘」と記した戦闘状態を「法的な意味における戦闘行為ではない」それは「武力衝突」だと言い張った。

 

 おまけに、
 この稲田氏の答弁を受け、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は、9日の定例会見で、今後は「用語」に慎重を期すよう、部隊に指示したという。

 

「法的な意味における戦闘行為ではない。国会答弁をする場合、憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではないから」、戦闘を「武力衝突」と言い換える。

 

 2016年10月9日のデジタル版毎日新聞によると、
稲田朋美防衛相は8日(日本時間同)、南スーダンの首都ジュバを訪問し、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察した。稲田氏は視察後、記者団に「ジュバ市内が落ち着いていると目で見ることができた」と述べ、安全保障関連法に基づく新たな任務付与に関しては「情勢報告も受けており、政府全体で議論したい」との考えを示した」とある。
 わずか7時間の視察である。何を見てきたのか知らないが、少なくともこの数ヶ月前にジュバで起きていた戦闘については、憲法九条が禁じる武力紛争にあたり、自衛隊が巻き込まれる恐れがある場合はPKOから部隊を撤退させなければならない「戦闘行為」と認める気はなかったのだろう。


 2016年11月15日に、政府は自衛隊PKOにおける「駆けつけ警護」の新任務を与える閣議決定を行っている。

 

 政府自民党にとっては、自衛隊は何があっても南スーダンPKOにおいて「駆けつけ警護」を付与されなければならないし、撤退など許されなかったのだろう。そのためには戦闘事実を武力紛争という言葉で塗り隠し、憲法九条に抵触しない言葉を使うことで、憲法自衛隊員の生命と安全を守ることを阻止している。

 

 息子(43歳)が現地のPKO施設内で道路整備などを行っているある男性は「防衛相が「戦闘」を「武力衝突」と言葉を言い換えて、現地が安全かのように表現するなんて、国民を馬鹿にしている」と憤る。また20歳代の息子が現地で活動する別の男性は「不安をかかえながら送り出した家族をなんだと思っているのか」と語気を強める(2月10日東京新聞)。


 まさしく、自民党政権のもとで、自衛隊員には憲法九条によって守られるべき国民の権利が制限されている。しかもこの政権は、事実を憲法九条をクリアできる言葉に置き換えるというバカバカしくも単純な手段を使って公然と事実を隠蔽しているという事実に、恥もせずに胸を張る。
 PKOから自衛隊を撤退させ、自衛隊員の生命を守るための「戦闘状態」という事実認識は、これでは永久に誤認されるシステムとなる。